Selan公式Note記事より
みなさん、Selan広報担当のHanaです!
Selan公式Noteに興味を持っていただきありがとうございます!
さて、今日もシンガポール(以下シンガポール)の教育についてお話していきたいと思いますが、今回はマルチリンガル教育編です!
前回に引き続き11年シンガポールにお住まいで、現地校にて2人のお子様を子育てしていらっしゃるEriさんへのインタビューでお伺いしたことを中心にお話していきたいと思います。
(前回の記事教育システム編をお読みになってからこちらの記事を読むことをお勧めします☺)
早速ですが、シンガポールの公用語は何だと思いますか?
なんとマレー語 標準中国語、英語、タミール語の4言語。
Eriさんによると電車のアナウンスなども必ず4言語が流れるそうです。さすが多民族、多言語国家ですね!!
公用語以外にも"国語"が存在し、それはマレー語なんだそう。
この国語のマレー語は国歌斉唱や軍隊の号令等には使われるそうですが、普段マレー語を話すのはマレー人のみだそうです。
さぁ、そんなマルチリンガル国家シンガポール、一体どんな言語教育をしているのでしょうか!?
小学校から既に言語習得の授業の比重がとても重い
前回の記事で、シンガポールの幼稚園では既に英語のスペリングやShow and Tell、テストまであり、中国語の習得も始めていくことをお伝えしました。
さらに小学校ではこの言語習得の比重がどんどん重くなるそうです。
全ての授業は基本英語で行われますが、小学生低学年からの言語教育としては英語の授業と母国語(マレー語、タミル語、中国語のいずれか)を選択し、その授業を受けることが義務付けられています。
Eriさんのご家庭は日本人ですので、母国語は日本語の為、母国語の授業は必須ではなかったようですが、結果中国語を選択したそうです。
Eriさんいわく、とにかく言語習得の授業の時間数が他の教科に比べても圧倒的に多いとのこと。
英語の定期試験のスタイルも小学校から既に4技能に分かれており、Situation Writingのテストでは”制限時間内に150ワード以上の文章を書きなさい”、というものや、文章中の空欄に当てはまる単語を埋める、答えがひとつではないテストなどかなり高度なアウトプットが必要な試験スタイルだそうです。
日本の高校生の定期試験でも4技能に分かれているスタイルは珍しいですよね。。しかしながら、”生きた”英語を学ぶにはやはりインプットや暗記だけではなくアウトプットを重要視しなければならないのでしょう。
⇩Eriさんの息子さんが中国語を勉強されている様子⇩
シンガポール教育がいかに言語習得を重要視しているかというのは、実は前回お話したPSLE(小学校卒業テスト)にも表れています。
先週読んでくださった方はPSLEの4教科を思い出せますでしょうか?
そうです。科目は、算数・理科・英語・中国語/マレー語/タミル語(母国語)の4教科、でしたね。
ここで気付くのが、4教科中2教科が言語科目であること。
小学校卒業時点で、既に50%の卒業試験科目が言語であることはシンガポール教育がいかに言語習得を重要視しているかの表れだと思います。
母親の私が英語を話せない、だからこそ子どもがマルチリンガルに
Eriさんのお子さんは、学校では英語で授業を受け、友達とは英語で話し、授業で中国語を学び、家ではご家族と日本語で話す、というトリリンガル生活をされています。
Eriさんにマルチリンガル教育で重要だと思うことをお伺いしたところ、
シンガポールに住み、英語で学校生活をしている分英語習得は割と自然に可能になるが、日本語習得がその分難しくなる。家庭で絶対に日本語を使っていることが子どもたちをバイリンガルにさせた。
とおっしゃっていました。
Eriさんのご家庭では日本語の補習校などにも通わせ日本語に触れる機会も定期的にお子さんに与えているとのことでしたが、やはり家庭内で使用する言語は絶対的に日本語だそうです。
”英語だけできても日本語がおろそかになってしまうのは元も子もない。私が英語が話せないからこそ、子どもたちの日本語もそこまで悪くないと思う。”
というお言葉、実際にシンガポールで子育てをされているEriさんだからこそ重いものがあると感じます。
かといってEriさん個人としては日本語と他言語の同時習得は全く問題ないと感じているそう!
たまに、母国語である日本語を確立してからでないと他言語を学ぶのは良くない!という意見もあったりしますが、”子どものマルチリンガル習得は全く問題ない!子どもはスイッチ(適応)していく”とおっしゃっていました!
まとめ
さて、シンガポールのマルチリンガル教育について今回は特集させていただきました。
なぜシンガポールの人は英語が上手だと思いますかと質問させていただいた際、SGはTVがつまらないから子どもはよく本を読むし、映画をよく見に行く人が多いからかもしれない!とのこと!(映画は完全英語で中国語字幕だそうです)
⇩Eriさん宅にあるお子様の本棚(日本語、英語、中国語の本があるそう)⇩
また、私個人でお話を伺っていてすごいなシンガポール教育‼と思ったのは、小学校・中学校でもデジタル化が進んでおり、Eriさんの中学生のお嬢様がグループワークの際に(グループワークがとっても多いそう)、Google Slideを使ってプレゼン資料の作成をクラスメイトとしていたそう。
Google Slideで友人とフォルダ共有しながらプレゼン資料作成なんて、大学生になるまでやったことがなかった私からすると、日本じゃ考えられない!と感動しました。
普段からやはり生活の一部に英語があり、しかも小学校から英語だけでなく第二言語の言語習得に力をいれているシンガポール教育。そしてデジタル化にも柔軟に対応し学校教育に取り入れていることが、もしかしたらエリート国家と言われるようになった秘密のひとつかもしれませんね。
最後まで読んでくださりありがとうございました!
そしてインタビューに応じてくださったEriさんにSpecial Thanksです♥
ではまた次回♪Selan公式Note記事より
あけましておめでとうございます!Selan広報担当のHanaです。
2020年もSelan公式Noteをどうぞよろしくお願いいたします!
新年初の記事はシンガポールの教育についてです!
シンガポールといえば世界大学ランキングで常にトップをキープしている教育国家、そして国民の英語力も非常に高い国として有名ですが、今回はシンガポールに11年間お住まいで15歳の女の子と11歳の男の子を現地校にて子育てをされているEriさんにシンガポール教育の実態を実際にインタビューさせていただきました。
日本人としてシンガポールで子育てをされていて感じること、教育の良い点、日本と異なる点などを現地校にお子様を行かせているEriさんだからこそ見えてくるシンガポール教育をお届けいたします!
とっても素敵なお話をたくさん伺えたので、今週は【教育システム編】を、来週は【マルチリンガル教育編】をお送りしたいと思います!
まず、なぜ現地校に行かせることになったのか?
シンガポールは日本人含め、外国人も多く住む国。そのため、多くの日本人家庭はインターナショナルスクールか現地日本人学校に行かせることが主流だそうです。
そんな中、日本人の旦那様のお仕事の関係でシンガポールに移住が決まり、お子様の学校選びの際にEriさんのご家庭がローカル校を選択した理由は、
①インターナショナルスクールは学費がかさむ
②せっかくシンガポールに住んでいるのに日本人学校に行かせるのはもったいない
という2つの理由だったからだそうです。
とはいってもシンガポールの現地校へは、まずローカルのシンガポール人が入学手続きをしたあと空きがあれば外国人居住者の子どもが入れるというシステムだそうで、現在では外国人が現地校に入学できるケースはレアになってきているとのこと。
それでも、Eriさんのお子様が学校に入学された際は現地校への入学が可能であったため、現在2人のお子様両方とも現地校に通われています。
幼稚園でアルファベット、スペリングを学ぶ!
Eriさんからお話を伺う中で驚いた現地シンガポール教育の常識の一つが、幼稚園から既にアルファベットやスペリング、グラマー、Show and Tellの授業があるそう。。!
しかも、スペリングテストなども行われるとのこと。
基本は英語ですが、中国語も幼稚園から既に勉強していくそうです。さすが多民族国家ですね。
日本は本格的に読み書きを教えるのは基本的には小学校からですので、教育への熱量が幼稚園時から既に違うことを感じさせられます。
大学進学率32%、実は大学に行く人だけがエリートじゃないシンガポールの教育システム!
日本の大学進学率は81.5%という数字に対してシンガポールは32%(全民族を含めた国全体として)ということをご存知でしたでしょうか。
エリート国家、といっても約70%もの人は大学に進学しないのです。
それにはシンガポールの教育システムがかなり日本と異なることが影響している、とEriさんが以下の表を見せてくださいました。
シンガポールではPrimary School(小学校)を卒業する際にPSLEという統一卒業テストが存在するそうです。
科目は、算数・理科・英語・中国語/マレー語/タミル語(母国語)の4教科。
この卒業テストがとっても重要で、この卒業テストのスコアによって行くことができる中学校の選択肢が決定します。
つまり、それぞれの学校独自の入学試験がある日本のお受験のようなシステムはシンガポールには存在せず、その統一テストの結果で全てが決まります。
また、日本のように小学校に行ったら地元の中学校か受験をして私立の中学校に行く、という流れではなく、既に専門性を持った仕事をしたい!と思う子どもについてはTechnical CourseやVocational Courseに進学することも普通なんだそうです。
Eriさんいわく、大学に行って良い企業に就職して。。といういわゆる日本のエリート像ばかりでなく、”いつか自分で起業して、会社を持ちたい!”と思うような人も日本と比べて多いとのこと。
起業しやすい国とも言われているシンガポールですが、特に最近ではシンガポール政府も国内の若き起業家への支援に大きな力を入れているようです。
どこかに属して、組織の一部になる人材を育てるのではなく、個性を伸ばしてあげることを教育の中でとっても重要視しているように感じている、ともEriさんがおっしゃっていました。
例えば、アカデミックだけでなくスポーツや他のフィールドで賞を貰ったりなどすると中学校進学時にプラスαになったりするようです。
シンガポールは社会の母体数が少ないこともあり、得意なことがある人はその得意なことを伸ばしてあげて、そのフィールドはその人たちに任せよう。という社会の雰囲気があるそうです。
まとめ
シンガポールのローカル教育、いかがでしたか?
インタビュー前には私個人もシンガポールと言えば、”競争社会”というイメージが強かったのですが、実は個性を大事にする子どもたちへのプレッシャーが少ない教育が存在することを知りました。
次回はシンガポールでの【マルチリンガル教育編】とし、Eriさんのシンガポールで実際に経験、実践されているマルチリンガル教育について配信いたします!
今回もここまで読んでくださりありがとうございました♪
次回もお楽しみに★
Selan公式Note記事より
こんにちは!Selanの広報担当のHanaです!
みなさん年の瀬も迫ってきましたが2019年がみなさんにとって素晴らしい年だったことを願っています☺
さて、2019年最後の記事はフィンランドの教育についてです!
フィンランドと言えば、最近34歳の現役最年少女性首相が誕生したことで話題になりましたね。北欧のさむーい国でサウナやサンタクロースが有名な国というイメージですが、その教育は世界で最も素晴らしいと言われており世界中から注目を集めています。
PISA(OECDが実施する国際的な学力テスト)では常に上位に、2018年にUNICEFが発表した子どもの幸福度ランキングでは第4位にランクインしています。
つまり、高い学力をキープしながらも子どもの幸せも育てることができる教育がフィンランドの特徴と言えるでしょう。
今回はそんな”世界一の教育システム”と言われるフィンランド教育についてお話していきたいと思います!
公平性・反差別を育てるフィンランド義務教育
フィンランドの義務教育指導要綱である“NATIONAL CORE CURRICULUM FOR BASIC EDUCATION”によると
フィンランドの義務教育の目的は、教育的・社会的・将来の文化的課題の3点をベースに考えられています。
①教育的課題が目指すのは、どんな家庭の子どもでも平等な教育を受けることができ、その公平な教育を通して子どもの個性や可能性を最大限伸ばしてあげることです。
故にフィンランドでは授業料、教科書代だけに留まらず給食代も無料なのです!
②社会的課題の目的は、教育を通して公平、平等、公正な社会を構築すること。個人の個性を尊重し、どんな”性別”“経済状況”“宗教”“民族”であっても差別されない環境を重視しているそう。
冒頭でも最近34歳の現役最年少女性首相が誕生したことに触れましたが、フィンランドの男女平等性は世界で3番目。
ジェンダーロールに左右されず子どもたち自身の適正、意思、能力によって将来の道を決めていく教育をフィンランドでは重要視していることがどれだけ実際に平等な社会を生み出しているのかが分かります。
③将来の文化的課題は、子どもたち自らが彼らの時代や環境の文化を受け入れた上でそれぞれ個人の文化的なアイデンティティを築くこと、とされています。
フィンランドのいじめ対策
公平性を重要視するフィンランドの教育現場にとってもいじめは深刻な問題です。しかし、2009年から導入されたKiva Programがすごいんです。
Kiva Programとは?
1.ロールプレイ
いじめられる側、いじめる側、目撃者側の立場になるロールプレイを行いそれぞれの気持ちを理解する。
2.対話
いじめが起こった場合、教師といじめた側、いじめられた側の3者で話し合いの場を設ける。
3.映画とゲームでいじめを学ぶ
様々な娯楽を使って、どこからがいじめなのかなどゲーム感覚でいじめへの理解を深める。
このKiva Program導入後、フィンランドでのいじめはなんと85%改善されたそうです。
以下動画でわかりやすくKiva Programのことについて日本語でまとめられているので是非チェックしてみてください!
定期試験、宿題はナシ!?
定期試験や日本でよくある統一試験はフィンランドには基本的にありません。
それぞれ子どもたちの成績は子どもを理解している先生の個別の評価システムによって決められます。
つまり、期末試験で90点以上とったから成績はAというシステムではないのです。
フィンランドには日本のようにいわゆるトップスクールというものも存在しません。つまりこの学校に入ったから優秀、頭がいい、というレッテルを社会から貼られることがないのです。
しかも、フィンランドの学校にはほぼ宿題はありません。OECDによると、フィンランドの子どもたちが宿題を含む学校外での勉強に使う時間は世界で最も短いそうです。
学業とプライベートのバランスをとりながら、生活を送ることができることが子どもたちの幸福度に繋がっているのかもしれません。
まとめ
さて、フィンランドの競争ではなく協力や平等が最重要視された教育、いかがだったでしょうか。
日本の教育システムは世界の中でも素晴らしく、学力の面でも世界に劣ることのない結果を残していますが、個々人のアイデンティティーを大切にする教育はどれだけフィンランドに比べて達成できているでしょうか。
2019年日本の男女平等性は世界153カ国中121位でした。主要国と言われる中では最低の水準です。
フィンランドの教育の中から日本が学ぶべきものがあるのではないかと私も考えさせらました。
最後になりますが、2019年Selanの記事を読んでいただきありがとうございました!!
2020年も世界の教育についてどんどん発信していきたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします★
Happy Holidays!
Selan公式Note記事より
こんにちは!Selan広報担当のHanaです!
早速ですが、皆さん”イマージョン教育”って聞いたことありますか?
イマージョン教育は母語以外を手段として、言語以外の教科を学ぶ外国語学習方法のことで、今日本でもバイリンガル教育において非常に注目を受けている教育方法です。
今回はそんなイマージョン教育を生んだカナダを例にお話していきたいと思います!
カナダ、ケベックで始まったイマージョン教育
カナダといえば英語圏のイメージですが、カナダ、ケベック州での公用語はフランス語となっています。
その為、カナダのイマージョン教育は、家庭で英語を話す子どもが、フランス語圏のケベックで生活や将来仕事をしていく上で困らないように、幼稚園や小学校の授業のすべてまたは一部をフランス語、一部を英語で受けるというものです。
ケベック州にある公立学校で実際に行われているイマージョン教育には様々な種類があります。
1つは、幼稚園~小学校低学年の年齢までは第二言語であるフランス語ですべての教科を学び、フランス語の基礎が身についてきたタイミングで英語で授業を受ける割合を徐々に増やしていくという教育方法です。最終的には小学校高学年で英語とフランス語の割合を50%・50%にしていくようです。
他には、初めから少し英語を使って授業を行っている学校もあったり、幼稚園から小学校卒業まで、完全にバイリンガル(英語50%、フランス語50%)で授業を行う学校もあるそうで、そのバリエーションは様々です。
イマージョン教育の強みって?
カナダのイマージョン教育は、小学6年生になる頃にはフランス語のリスニング、スピーキング、リーディングともにほぼネイティブ並みに近づくと言われ、その効果も立証されているそうです。
小さい頃から2か国語を使って勉強していると母語がおろそかになるのでは?と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、イマージョン教育による母語への悪影響はほとんど見られないことがわかっています。
むしろ、相乗効果で母語の能力は伸び、物事への理解力により長けるとも言われています。
これは早期言語教育の強味とも言えますが、小さい頃から他言語を学ぶことで多様性や異なる文化への理解が深まることもイマージョン教育のメリットと言えるでしょう。
⇩カナダのイマージョン教育を受ける子どもたちのインタビュー⇩
(※言語は英語です)
日本でのイマージョン教育
日本語を母語とする子どもにとっては、インターナショナルスクールも一種のイマージョン教育となりますが、特に日本では、英語と日本語両方を用いて教育する「英語イマージョン教育」が注目されています。
日本では静岡県にある加藤学園が1992年に日本で一番最初にイマージョン教育を取り入れ、現在では他にも多くの私立の幼稚園~高校で取り入れられています。
まとめ
カナダ生まれのイマージョン教育、いかがだったでしょうか?
英語を1つの言語科目としてでなく、あくまで他の科目を学ぶ為のツールとして小さい頃から使っていくことがイマージョン教育の特色であり、自然にバイリンガルを育てることのできる教育であることが分かった気がします。
最後まで読んでくださりありがとうございました!また次回お会いしましょう★
Selan公式Note記事より
みなさん、こんにちは。Selanの広報担当Hanaです!
本日も、Selan公式Noteを読んで下さり、ありがとうございます。
さて、みなさんはTOEFLを受けたこと、あるいは聞いたことがあるでしょうか?TOEICがビジネス英語のテスト、TOEFLはアカデミックな英語テスト、といったところです。
私の感覚では、TOEICより、TOEFLの方が100倍難しいと思っています。笑
日本人受験者のTOEFL平均点は、120点中、71点。一方、オランダの平均点はというと、99点。平均が99点というのは、凄すぎる数字です。
EC(欧州委員会)のデータによると、なんと15歳以上のオランダ国民の94%がバイリンガルで、77%が3ヵ国語話者、4ヵ国語以上の話者も37%存在するというのです。
上記からもわかる通り、オランダ人は、ネイティブ以外で、世界一英語が上手な国民と言われています。今回は、そんなオランダ人が、どんな環境で、どんな英語教育を受けているのかに迫ります!!
①英文法を習わない!?とにかく楽しさ重視の授業!
まず、オランダでは法律上、遅くとも7年生(約10歳)で英語の授業をスタートさせることが決められています。
しかし実際には、1年生の段階から英語を教え始める学校が多く存在するそう!
というのも、オランダでは”教育の自由”が法律で保障されている為、日本のような統一されたカリキュラムはなく、学校や教師陣が好きなように教えていいのです。
そんな早期英語教育に力を入れているオランダですが、特徴的なポイントは「とにかく楽しく」英語を教えていること。
英文法などを中心に教えるというより、英語のポップソングを一緒に歌ったり、大きな声で音読してみたり、シャドーイングをしたり。
教材はカラフルなものばかりで、見飽きない工夫がされている他、Youtubeなどの動画コンテンツを見て、子どもの興味を絶えず喚起する授業が行われているそうです。
②バイリンガル小学校が多い
基本的に、授業はオランダ語で行われますが、オランダ語と英語両方を使ったイマージョン教育を推進する公立学校も多く存在します。
そのようなバイリンガル小学校では、英語を30%〜50%使用し、中学校では少なくとも50%の授業が英語で行われます。例えば地理、歴史、物理といった科目を完全に英語で行います。
また大学についてもオランダは多くの授業をすべて英語で行っています!
大きな理由1つは、
オランダは人口約1,700万人なので、多くの高等教育機関は、留学生を受け入れることで生徒数確保をしているという点です。
結果として、国内では母国語のオランダ語を軽視しすぎではという批判も出るほど、オランダ国内での英語のパワーはとっても強いのです!
これから日本の少子化が進むことを考えると、日本の大学も、より多くの海外留学生を受け入れることが、解決策の一つになるかもしれません。そのためには、完全英語で授業を行う大学を増やす必要がありそうです。
③映画・テレビは英語 ー ”吹き替え”知らずのオランダ
一度個人的に”なぜオランダ人はそんなに英語が上手なの?”とオランダ人の友人に質問をしたことがあります。その回答は、
”オランダでは、映画館で映画を見るとき吹き替えはないから英語+オランダ語字幕で見るし、小さい頃からテレビの子ども番組とかも英語+字幕で見てたよ。”
とのこと。日本の映画館に行くと日本語吹き替えか字幕か選択がありますが、オランダは字幕しかないのです。
また、”オランダは小さな国だから、オランダ語だけ話せたって意味ないんだ。他の国と関わっていかないと生きていけないから、当たり前だけどその為には英語は必須だよね”
とも言っていました。
小さい頃から、「世界と繋がって生きていくことが必要だ」と考えさせられる環境が、オランダ人の英語力を底上げしているのかもしれません。
まとめ
今回は、英語ランキング世界一のオランダの英語教育についてでしたが、いかがでしたか?
まとめると、
①授業では、文法などの前に「英語は楽しいものだ」と教える工夫を凝らしている
②小学校から大学まで、授業を英語で受ける教育システムが確立されている
③幼少期から、映画やテレビを通じて自然と英語をインプットする環境がある
もちろん上記だけでなく、様々な理由があってオランダ人の英語力は世界トップレベルなのだと思いますが、この3点から早期英語教育に必要な何か大切なエッセンスを見つけられたような気がします。
授業を英語で受ける教育システムの構築は、時間がかかりますが、「英語は楽しいものだ」と教えること、映画やテレビを通じて自然と英語をインプットする環境は、ご家庭でも実践できるTipsになるのではないでしょうか?
ここまで読んでいただきありがとうございました♪
また次回も、世界の教育について皆さんと一緒に考えていきたいと思います(^^)Selan公式Note記事より
こんにちは!Selanのメディア担当のHanaです!
今回は私の住むスイスのマルチリンガル教育について、スイス人の友人にインタビューを行いました!そこで、私がびっくりしたこと、興味深かったことを紹介していきます!
みなさん、スイスの公用語は、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語の4つもあることご存じでしたでしょうか。
スイス人と関わるようになって1番驚いたことが、大体の人が3か国語を話すトリリンガルということ。。スイス人にとっては、ドイツ語、フランス語、英語の3か国語が話せることは一般的なのだそうです。
面白いことに、例えばドイツ語圏のスイス人とフランス語圏のスイス人が会話するときは公用語ではない英語で会話することもしばしば。もしドイツ語圏の人がフランス語を話せたとしても、お互いの第2か国語である英語を話すことがフェアという考え方のようです。さすが中立的なスイス。。
そんなスイスでは早期言語教育はどのように行われているのか、わたしの拠点であるジュネーブを例に紹介していきます!(スイスは地域によって教育の管轄も異なるためあくまでも一例です!)
①小学生からフランス語、ドイツ語、英語の3か国語を学ぶ!
スイス(フランス語圏)の語学教育は、
8-9歳:まず公用語の1つであるドイツ語を学び始める
11-12歳:英語も必須科目となり、フランス語、ドイツ語と並行して学び始める
といった形だそう。
ドイツ語圏のチューリッヒではフランス語よりも英語を先に教えるカリキュラムとなっており、多言語国家スイスにとっても英語は重要な言語であることが伺えます。
②公立高校で2学年目の留学、3学年目ではフランス語と留学先で学んだ言語でのイマージョン教育プログラムを受けられる!
ジュネーブには11の高校があり、約半数の5校が現在このシステムを取り入れているそうです。簡単に説明すると、
1学年目:フランス語で他の生徒と同じく授業を受ける
2学年目:希望者はドイツ語圏 or イタリア語圏 or 英語圏(US, Canada, UK, Australia)にて1年間の現地校留学が可能。
3学年目:留学から帰国した後は、母国語であるフランス語約50%、留学先で学んだ言語(ドイツ語かイタリア語か英語)約50%で授業を受けられる。
という、究極のマルチリンガルカリキュラムが存在します。。
特に留年する必要もなく、留学の斡旋も高校が手配、帰ってきてからも学んだ言語を忘れないシステムが公立高校に整っている(※スイスは大学まで基本的に学費は無料です)、日本では到底考えられないようなプログラムです。
あくまで、希望者のみの為必須ではありませんが、3学年目には留学帰りの友達と再び学生生活を送ることは、留学に行かなかった生徒にとってもきっと刺激的で多様性を理解する大きなきっかけになるのでしょう。
③他にもある、大学進学前にも多くの留学のチャンス
Intermundoシステム
②で紹介したのは、あくまでドイツ語、イタリア語、英語に限ったプログラムでしたが、スイスにはIntermundoというシステムも存在します。
これは高校を4年間かけて卒業することになる+イマージョン教育は受けられませんが、ドイツ語圏 、イタリア語圏 、 英語圏以外の地域で留学したい場合もIntermundoシステムを取り入れている学校がほとんどなので、スムーズに留学できるそうです。
短期交換留学制度
私が今回インタビューしたスイス人の友人は、中学生時に2週間ドイツのベルリンに短期留学+ホームステイに学校を通して行ったそうです。
自分が行った後は2週間ベルリンからそのホームステイ先の子がスイスに短期滞在するという交換留学制度です。
大人になった今でもその経験は忘れないそうで、子供ながらに学校で学んだドイツ語を実際にクラスの外で使う機会が与えられたことが言語習得のモチベーションになったとのことでした。
まとめ
世界でも有数の多言語国家スイスのマルチリンガル教育、いかがだったでしょうか?
実際にインタビューをしてみて素晴らしいと思った点は、
①スイスの言語教育は机上での勉強に留まらず、子どもの時から実際にその学んだ言語を使う機会が多くある
②国外に出て多様性を知る留学のチャンスをどんな子どもにも与える教育プログラムが存在している
ということです。
日本では、小学生の必須科目としての英語教育が盛んに話されていますが実際に英語の必要性を感じる機会、英語を使うチャンスはどれだけの子どもに与えられているのでしょうか。
スイスの言語教育から見えたこれからの日本の課題は、算数や理科などと同じ勉強科目としての”英語”ではなく、世界と繋がるための”ツール”であることを教える教育システム・プログラムを整えることなのでは?と感じました。
ここまで読んでいただきありがとうございました♪また次回の発信も読んで頂ければ嬉しいです!Selan公式Note記事より
初めまして!
Selanの広報・メディア担当をしているHanaです!
このNoteでは、世界の教育事情やバイリンガル教育などについて発信していきたいと思っています!
現在私は、スイス・ジュネーブを拠点としています。私自身、大学生の頃にお迎えシスターの講師として働いており、過去にはイギリスやドイツに住んでいました。これから、私自身の体験も交えながら、多様な教育について発信できたらと思っています。
Selanとは?
私たちは「学びをボーダーレスに。」というミッションのもと、2015年の創業以来、子どもと世界を繋げる活動をしてきました。
1つは、バイリンガル講師による「お迎え」×「自宅英語学習」の「お迎えシスター」、そして世界で「生きる」力をつける21世紀型Weekendスクール「21世紀教育dot.school」のグローバル教育事業を展開しています。
お迎えシスターのコンセプトは「子どもたちに、ロールモデルを。」
狭き門を突破したバイリンガルのお迎えシスターの講師が、子どもを保育園や学童にお迎えに行き、自宅で英会話レッスンをする「お迎え」×「英会話」を組み合わせた子ども向けプライベート英語レッスンサービスで、多くの共働きのご家庭をサポートしています。
これまで、子どもたちが様々なバックグラウンドのバイリンガル学生に出会い、ロールモデルを持つことで、学習意欲が高まり、より多くの選択肢を持てるような取り組みを行ってきました。
そして、dot.schoolのコンセプトは、「世界で生きる力」
国際協力、科学、健康、多様性などリベラルアーツを中心に、様々な国際的トピックについて英語で学び、子どもたちの多角的に考える力を養うWeekend Schoolです。
海外経験が豊富な講師陣指導の下、21世紀の子どもたちが必要な“生きる力”を身に着けることを目的としています。
Noteで発信していきたいこと
Selanは現在、東京を中心に、スイス・ジュネーブ、英国・ロンドンにもメンバーがおり、多様な文化を織り交ぜながら、日本の子どもたちと一緒に、たくさんのインスピレーションを生み出していきたいと考えています!
このメディアでは、私たちが得意とするバイリンガル教育や、世界の教育事情について発信していきたいと思っています。
また、これまで、1000名以上の子どもたち、35カ国以上に上る1000名以上の多様な講師陣、2000名以上の保護者の方々と触れ合う中で、私たちが学ばせていただいたこと、感じたことを少しでも社会に還元できたらと思っています。
このSelanのNoteが、次世代の子どもたちの成長と活躍を願う全ての皆さまにとって、何か1つでもヒント・視点を得るきっかけにになれれば嬉しいです!
株式会社Selan